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過失相殺、難件事案の解決例
過失相殺は交通事故の損害賠償訴訟において最も重要な争点です。
多くの事案の過失相殺は判例タイムズで機械的に判断できますが、事故態様は多種、多様であり、判断に苦慮することも珍しくありません。
私が実際に受任をした事件で、とりわけ、過失相殺の判断が難しかった例について紹介したいと思います。なお、事案は分かりやすいように簡略化してあります。
事例1(死亡事故)
科学捜査研究所の加害車両の速度についての鑑定が否認された事案。
1審判決は過失相殺30%、控訴審は15%で和解。
事例2(死亡事故)
自転車が加害車両となった事案。被害車両は原付自転車で交差点進入前に対面信号が青から黄色に変化したが、そのまま交差点に進入した。
1審判決は過失相殺20%、控訴審の判決は0%。
事例3(骨折、後遺障害残存事案)
自転車対自転車の事故。判例タイムズにない事故類型である。
1審判決は被害者60%、加害者40%と判断したが、控訴審は双方50%とした。
事例4(骨折、後遺障害残存事案)
駐車中の車が発進し、走行中の車両に危険を与えた例。判例タイムズにはない事故類型である。1審判決は被害者過失を10%と判断、控訴審も同じ。
事例5(死亡事故)
左折した自転車の右横を後方から大型トラックが走行し、自転車が転倒した例。判例タイムズにはない事故類型である。1審、2審とも被害者過失を20%とした。
事例6(死亡事故)
自動二輪車直進、四輪車右折の事故。判例タイムズでは自動二輪車側に15%の過失があるはずだが、判決では5%と判断された。
事例7(高次脳機能障害、後遺障害残存事案)
刑事裁判では加害車両は対面信号が黄色で交差点に進入したと認定されたが、民事裁判では赤色で進入したと認定され、被害者過失ゼロとなった事案
事例8(後遺症事案)
被害車両、加害車両とも信号無視という珍しい事案。双方とも信号無視ならば同じ程度の過失があると思うのが普通であるが「信号無視の形態」により過失の大小が決まってくる。
事例9(後遺症事案)
事故状況について被害者と加害者の主張が真っ向から対立した事案。それぞれ相手方の過失10割を主張。刑事事件では加害者は不起訴となったが、民事訴訟では加害者過失10割が認められた。
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